2011年11月16日水曜日

愛多き者は即ち・・・

「愛多き者は即ち法たたず」

意味・・・上に立つ者が愛情をかけすぎると下の者は従わず、法が乱れる
読み・・・あいおおきものは すなわち ほうたたず

これは紀元前250年頃の中国の春秋・戦国時代の思想家、韓非の『韓非子』という著書からの格言です。韓非は諸子百家・法家の代表的な人物のひとりで、荀子の「性悪説」の影響を受けたとされています。その立場は、孟子が唱えた「性善説」、徳治主義をとなえる儒教とは対立し、法治主義をとりました。つまり、「人間は生まれつき悪者なんやから、徳や善なんかで抑えて、言う事を聞くはずおまへんわ。法でしばって、刑罰や金で償わせんとアカン。世の中、罰とカネや。今はなき孟子はん、生ぬるいこと言うてたらアキマヘンで」といったかどうかは知りませんが、そんな思想だったようです。
現代風に、すこぅし飛躍的に解釈すると、「やさしくするほど、人はつけあがり、弱いものや徳のあるものまでをも騙したり、おとしめたり」・・・。「庇をかして母屋をとられる」「恩を仇でかえす」「飼い犬に手をかまれる」といった同じ範疇にはいるような格言もゴロゴロ転がっています。
むかしも今も、変わらず、「必要以上につけあがる人間はどこにでもいる」んですね。
それって悲しいことですよね。
この格言が現代にも理解され、十分に通じるということは、戦争が日常茶飯事に行われていた2000年以上も前の時代と、人間の本質が変わっていないということの証明みたいなもんです。さらに日本にも、中国にも同じような格言があるということは、どちらの国にも似たような人間がウジャウジャいるということでもありましょう。
日中間に限らず、日米、日韓、国内、近隣や家族のいざこざさえも、人の本性を見れば、お互いに似たようなものだとすれば、やってられないですよね。
つまり、この格言の、意味はともかく、ここから学べることは、
「つけあがるタイプの人間は甘やかしていれば、ますますつけあがって、やがて犯罪にまでおよんでしまう」から、キチンと人間を見極めて、叱るべきところは、叱りなさい。と。人を導く基本といわれる「5つ褒めて、3つ叱って、7つ教える」というような教書にも通ずると思われます。勘違いのやさしさだけが人の為ではないんでしょうね。
私は、孟子の徳治主義を支持しますが。甘いんでしょうか。

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